秋桜

陽射しが強くなって来た運動会、小学校の校庭で観客エリアからぐるっと校庭を見渡すと様々な笑顔で満ちていた。 老若男女の顔から幸せや喜びや楽しさがこぼれていた。
もちろん勝ち負けがあるから面白いのだけれど、入退場でカメラを向けた家族席に手を振ったり、不慣れな解説を一生懸命さでカバーするアナウンスに慣れたり、場所取りはしたけれど撮影に夢中でちっとも陣地に戻らない観客大移動など、どれもこれも無邪気に頑張る小学生がそこにいることがなにより大切なことなのだ。



朝、ポテトサラダのジャガイモをつぶしながらこれまでのことを振り返ってしまう。 甥は5年間、代表リレーの選手に選ばれて、ゴールテープをきったこともあれば怪我のためにこされたり棄権したこともある。そして6年生の今年は、代表リレーの選手に選ばれなかった。運動会の話をあまりしないなと思っていたらそういうことか。

夏休みに「おととしまでは自信があったけれど、冬にさぼっているから筋力が落ちてる」とぽつりとこぼした。 筋(すじ)が弱い。野球の試合が近いと体育で走ることを控えたりする一方で、多少違和感があっても試合が近いと練習に参加したり―そのときはもうとりかえせない。それがわかっていての決断だった。

楽しい運動会だったらそれでいい。
毎年、秋晴れにぴったりの心地よい風のような一日を経験させてくれて、携わる全ての方に感謝だ。

まー楽しそうで、調子づいて、拍手喝采の運動会でした。
大きくなったと思っていたけれどまだまだのようで、組体操ではいつも上。 カメラ担当は楽をさせていただきました。
リレーのときは、気になって、でもね、うん。


 精一杯の応援合戦、優しさや思いやりが垣間見える競技進行、この日の準備に費やしたことは計り知れなくて、そして子供たちの笑顔をあびて、これ以上うれしいことがありますか。

マフラー
今年初冬の個展へ行くマフラーです。

運動会の終了後、2時間後にはyou tube。 うん、だって社会では汚職のためと、説明がつかない選挙が行われて、話し合いよりも武力だとトップがいっていて、それよりもヒカキンさんの方が魅力的だよね。 かつてドリフが貧乏だったりバカを上手に笑いにかえてくれたように、そこにきっと希望があるのだろうな。 「これ家で食べたいな。とっといて!」 お弁当のときに確保したブルーベリームースを片手にだらだらです。甥にとって果物の一等賞はブルーベリーなのでした。Wさんからいただいたソースが大活躍です。

くるくるケース
早稲田大学オープンカレッジ秋講座のサンプルです

このような暮らしがあたりまえであることが心に沁みる。  運動会に参加できない、カメラを買う余裕がない、家族、家庭、身体、心、いろいろ。 そして運動会がおこなわれることも、貴重なこと。

5時に起きて じゃがいもをつぶしながら肌寒く薄暗いなか胸を熱くし、最後の運動会の朝を迎えました。
そして翌朝の今朝5時 いつものように糸車を回す朝です。



秋花壇

昨日の小学生は朝日よりも煌めいて眩しかった。 


麻の繊維をとるときにごしごしとこすります。
諸説あるとは思いますが、この字の由来の一節です。

15日付の山梨日日新聞1面へ掲載された
山梨トヨタ様の広告「磨」に私をとりあげてくださいました。
頭の2行を読み、もう私には勿体ない記事と鼻の奥が刺激され瞳に水分がまわります。



どうしようもなく哀しく
苦しく
淋しく
悔しく

どこかに吐き出すこと
だれかにうちあけること
で楽になれない。

誰かに話したら、そんな自分やその時間を悔やむ。
お金を消費する
好きな物を沢山食べて飲んで
そんな自分やその行為を悔やむ。

抱え込むのはいけないという声もあるけれど
暗い闇を分かち合ってもらうことさえ負担になる
そんなとき


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明日も頑張ろうとはなれないけれど
そのうち夜があけてまた朝がくる、
地球がお陽さまのまわりをまわっている限り
また日が昇る。
そこで見つかるちいさな光となることができたら

川原の向こうから野球の音がきこえてきます。
夕べには虫の鐘が
朝には鳥のさえずり
新聞配達のバイク
川の音
揺れる木々の葉

風の調べとともに暮らしながら、
この風のようにそっと寄り添う
衣となれと、
そよ風の便りに支えられながら
紡ぎ、染め、織る、日々です。

「風のしらべ」
京都の個展は
12月2日から
手しごとの器・道具
テノナル工藝百職 で
どうしようもない私の手から生まれる作品は
手放すのが惜しくなるほど自信を持って送り出せる衣です。
どうか多くの方のところへ旅だっていけたらと願います。

がんばりすぎ
大変だね
忙しそう
考え過ぎ
優しさからのそのような言葉も 負担になり
でも
だから
そこから生みだされたいろいろなコト、モノ、が
どこかでなにかの力になっていたら
と、そう考えるのも勝手だとわかっているけれど・・・
難しいのです。
って、いう方もいらっしゃるでしょう。
今日もコツコツいきましょう。

ちょこっと不器用で気まぐれに責任感があって、
知らない間にだれかを傷つけてしまうことを恐れる小さいところもあって
それでもがんばるみなさまに沿う一枚となりますように。

今回の広告にともない
山梨トヨタ 山梨日川店へ作品を展示しています。
〜24日(日)まで
通常の個展では展示をしない大物をお持ちしました。
ぐちゃぐちゃとした上記のような感情から生まれた衣です。


秋の風に吹かれた

 
タッサーシルクを紡ぎ4色に染め織りました。
リネンも一緒に織りました。
紫根を椿灰汁で媒染
紫根を葡萄灰汁で媒染
オニグルミの葉を葡萄灰汁とおはぐろで媒染

まだ暑いけれど秋色を纏いたいときなど
お好みで。
こちらは11月23日からかじまる京都の個展へいきます。






朝晩がすごしやすくなったと、先日までは感じていたので
秋に向けてと思っていたら、
まだ夏。ただ甘酸っぱくて、
調子に乗ったあとの気まずい自分を振り返る、夏の終わりへ向かう月夜です。

紫草のにほへる


春は萌え出づる季節だったのですが、初夏の蓬は艾(もぐさ)の植物、同じくもえる草なのです。
邪気を払う薬玉に使われていて、端午の節句といえば菖蒲と蓬なのでした。
そしてこのころは杜若のかさねの色目が浮かびます。

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端午の節句のころです。こちらはあやめかな。富士の雪が季節を物語ります。

椿の灰で紫根を染めた経験がないわけではありません。
ただ他の樹木と一緒に椿を燃やしてしまったり、椿を燃やしたと知らせてくれた方からいただいたりした灰を使っていました。

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紫草と藍でいろいろ 昨年の写真です。

新たな工房ができて一番楽になったことは灰をとる作業です。
とてもとても本当にとても贅沢なのですが薪ストーブをいれたのです。
このことで暮らしも仕事も楽になりました。

ストーブには大鍋をかけることができ、ここで染色を行います。
燃やした樹木の灰は媒染に使用します。

山梨なので八ヶ岳のナラ、クヌギが手に入りやすくこれは藍を建てる時に使います。
剪定した桃や葡萄の木はあまりアルミ分が含まれないのか、黄味が抜けて透明感のある色に発色します。
そして薪ストーブがはいったことで新たに加わった間伐材の唐松、赤松の灰も媒染の役割を果たしてくれます。

薪ストーブにより灰の分類がたやすくなり、この3種類にわけて保管しています。
ただ椿は油分が多いこと、生葉を燃やすことから薪ストーブですと負担がかかります。

ただもうすでに3種類の分類がすんでいると、椿を燃やして灰をとることが一連の流れとなりたいした手間ではなくなりました。
そのようなわけで先日、節目の日に燃やしました。
灰は再生の象徴でもありますから・・・
薪ストーブ効果と福永さんのおかげです。

そして灰汁による違いはこちらです。

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青が強い方が葡萄の灰汁、赤味が加わった方が椿の灰汁です。

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メリノーも並べました。

灰汁自体は無色透明、ピリリとして、ぬるっとしています。

椿の灰汁が手に入らない時は明礬で媒染をすると似た系統の色味になります。
でもやはり、椿の灰汁はアルカリ性であるためか色合いはより純度が高くキレイです。


おうち

先日、新たに植物用のおうちを手に入れました。煙突もあります。なんて贅沢!


紫は灰さすものぞ


橋渡しをする媒染はほぼ無色透明です。

ところがこの液体が色の決め手となります。
自らは色を放たずに糸や布に色を着ける力があります。

染まるとはその字の表すように草木を用いた水溶液に、モノを浸して色づくこと。
そこには植物と水があります。

人間の目、耳、鼻、触感、舌で確認することは難しいけれど、その細かなコトが確実に色に反映します。

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昨年の紫草です。旧工房の勝沼です。

紫根は椿の灰汁で紫色を染めるのがいいと、それは染めることを生業にしている者にとっては常識のことです。椿にはアルミの成分も含まれていてその調和がキレイな紫を生みます。それなのになかなか椿灰をとろうと私は腰を上げませんでした。これは本当に重い腰だった。

この春、イラストレーターの福永由美子さんが新しいアトリエに引越をした。
なにかお手伝いをと、連絡をすると大丈夫ですよというお返事とともに私の身体を気遣うメールをくださった。
連休明けにお届けものがあったのでご挨拶もかねて新しいAtelier Bleuet へ、個展前にもかかわらず、あいかわらずのお人柄とアトリエの心地よさにまたしても長居をしそうだ。
「ちょっともさもさしていたので椿をばっさりとしたら陽射しがちょうどよくて」
「椿、椿灰は染めるものにとっては特別なんです」
「だったらどうぞ」
ということでなんと燃やすちびドラム缶ごとくださった。

椿 火

そしてこうして燃やしている。
まあよく燃える

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葉っぱも沢山燃えました。さすが「椿油」という品があるだけあって油分が多くよく燃えます。

いい灰です。

そしてこれはと早速紫根をと仕込み染めると
同じ灰なのに元の樹木がちがうと色違いになり、人がそれぞれなように木もいろいろな要素なのだと感心する。
腰を上げてよかった。持ち上げてくれた福永さん、ありがとう。

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染めあがりの様子はまた明日ご覧ください。
大丈夫です。きちんと写真を保存しました。